- 2010年12月27日 10:59
- M.N氏の岡目八目
聖路加国際病院(東京)の理事長で名誉院長でもある
日野原重明さんは99歳、白寿である。10年前に
ミリオンセラーとなった著書『生き方上手』(講談社)で
今なお全国から引っ張りだこの現役内科医だ。
著書通り、年齢を感じさせない上手な生き方をしている
日野原さんは、高齢者に対しての生き方指南だけでなく、
子どもたちにも命の大切さを説いている。
全国の子どもたちのための「いのち授業」で日野原さんは
教室に入るとすぐ子どもたちに質問する。
「君たち、いのちを持っている?」。「はーい」。
子どもたちの手が元気よく挙がる。日野原さんが、
また尋ねる。「では、いのちは体のどこにあるの?」。
すると自信なさげに手を心臓に当てる子どもがいたりする。
日野原さんに「君のいのちは心臓なの?」と聞かれた子は
困ってしまう。
日野原さんと、画家いわさきちひろさんがコンビを組んだ
『いのちのバトン』(ダイヤモンド社)に、そんな教室の様子が詳しいが、
来年は100歳なられる日野原さんが未来を担う子どもたちに
丁寧に伝えようとしているのは、目には見えない
人の命の大切さである。
目には見えないからこそ大切なものがある「いのち」とか
「こころ」とか「思いやり」とか・・・。そんなことを話してくれる日野原さんが
「創(はじ)めることを忘れなければいつまでも人は老いることはない」
(『いのち、生きる』光文社)と言う人生のコンダクターが
やさしく誘ってくれる輝く生き方とはどんな生き方か、
耳を傾けてみたい。
(M.N)