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内向き志向

NHKで放映されているドラマ「坂の上の雲」を見ると、
近代国家建設の理想に燃えた若者らが、米国やロシアなど
外国人に堂々と立ち向かう姿が印象的だ。

一方、最近の日本では「内向き志向」が取りざたされる。
ノーベル化学賞を受けた根岸英一・米パデュ-大特別教授は
会見で「若者よ海外に出よ」と鼓舞した。
「ある一定期間出ることで、日本を外から見ることが重要」と言われた。

根岸教授の言葉を裏付けるように、日本から米国への留学生は
この10年間で4割近く減少しているという。
「内向き」のほか、景気低迷や雇用不安などの影響があるのかもしれない。

根岸教授は「日本はカンファタブル(居心地いい)と皮肉られる。
景気が低迷してもなお、日本は安全で暮らしやすいということだろう。
ただ、グローバルという言葉に表されるように21世紀は人やモノ、カネ、
情報などが国境を越えて行き来する時代だ。

研究も、トップレベルでの切磋琢磨なくしては成り立たない。
留学せずとも日本の大学や研究機関に世界的な人材が
集まっているならいいが、そうはなっていないようだ。

2012年には沖縄科学技術大学院大学が開学するという。
世界から最先端の研究者を呼び、知的集積を図ろうという試みだそうだ。
内向きの日本を突き崩す取り組みになるよう期待したい。

孫にはそんな能力はないが、中学生になったら英国に行って生活できるよう、
まず英会話の塾に行ったらと、娘に話してみたら、そっぽ向いていたが。

(M.N)

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