- 2010年12月 9日 16:21
小惑星探査機「はやぶさ」の成功で日本中が沸いた2010年。
その年を締めくくるはずだった。
金星探査機「あかつき」が軌道投入に失敗した。残念だ。
明けの空や夕空にひときわ明るく輝く金星は、
地球の「兄弟惑星」ともいわれる。
直径がほぼ等しく、太陽からの距離も近いからだ。
しかし、その違いはあまりにも大きい。
西洋ではビーナス(美の女神)と呼ばれるが、
厚い雲の下は硫酸の雨と秒速100メートルの風が吹き荒れる。
二酸化炭素による温室効果の"暴走"で、
気温が400度超に達する灼熱(しゃくねつ)地獄という。
あかつきは、研究者が解けなかった
金星の特有の気象解明に挑むはずだった。
隣り合う兄弟星の運命を、何が大きく分けたのか。
金星の謎解きを通して、地球温暖化や異常気象のメカニズム研究と
予測への可能性も期待されていた。
だが、これで望みが絶たれたわけではないという。
あかつきは6年後、再び金星に近づく。
プロジェクトチームはもう一度、軌道投入にチャレンジする意欲を示した。
あかつきの機体には、日本中から応募のあった
約26万人の応援メッセージを縮小印刷したアルミ製プレートが
取り付けられている。これから6年間、
日本中のエールを身にまとい、宇宙を旅するわけだ。
地球からも、応援を送り続けたい。
(M.N)
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