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銭湯

学生時代は風呂なしのアパートに住んでいたので、銭湯通いだった。
大学近くにも銭湯があり、夏の暑い日の夕方、
一風呂浴びてからサークル室などで飲むビールは極上で、
銭湯は生活の一部になっていた。

以後、銭湯とは無縁だったが、自宅のガス給湯器が故障して
風呂に入れず、3日間電車でスーパー銭湯に通った。
普段はカラスの行水だが、のんびりと、極楽気分を味わった。
 
スーパーの冠がつくだけで、銭湯は昔と趣が異なる。
ジェットバスやサウナ、露天風呂は当たり前だ。
横になって寝そべる湯、深く立ったままの湯、一人だけの湯など、
まるで浴槽の遊園地みたいだ。

風呂上りにはゲームコーナー、マッサージルーム、レストランなどで
楽しめる。家族の手軽なレジャーランドといったところか。

アパートは風呂付きが普及、歩いて通う銭湯は失われつつあり、
車で行く銭湯に移行した。学生時代と同じなのは、
フルーツ牛乳の販売だけだった。

情報交換の場といった銭湯文化は薄れ、富士山の絵もないが、
銭湯が憩いの場であることは変わらない。
思う存分、身体を伸ばせる浴槽は魅力的だ。

(M.N)

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