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愛着

家を建てるとき、それを壊すときのことまで考える人は少ない。
「大工さんにとって新築は大きな仕事にはちがいないが、
それを修理したり、解体することも、
同じかそれ以上に大切な仕事なんだ」。
「自ら手をかけた家が具合悪いとなると
すぐ飛んでゆきたくなるし、自分が生きている間に解体される様は
見たくないと思うと同時に、他人に壊されるくらいなら
自分で解くぞ、思うんだよ」。

「建物には愛着を持って自分の魂を植え付ける気持ちで
仕事に精出している」。
「戦前建てられた古い家の場合、解体、修理工事をしても
ごみはほとんど出なかった。木・土・竹・紙・といった
土にかえる素材でできているからだよな」。

「最近では洋風の家が多いが、昔ながらの和風の家では、
ふすまや障子を外し、すだれ戸などに替えた」。
「風通しを良くするためだ。のれんや座布団も、
麻製品などに取り替えた」。

多摩川土手を散歩していると、梅雨でたっぷりと
湿気をを含んだ草むらからは、独特の匂いが漂ってくる。
草だけでなく土の匂いも一緒だ。
この匂いを嗅ぐと、夏本番を実感する。
何気なく散歩しているとジェクト株式会社の創設者の言葉が
次々と聴こえる。懐かしい教えの言葉だった。
お盆が近づいたので、墓場から「おい、、しっかりやってるか」。
と声をかけられた思いだった。

いわゆる「夏座敷」への衣替えである。
少々の手間は掛かったとしても部屋を夏バージョンにすれば、
五感を通じて涼味はぐんと増す。
エアコンを効かすより地球に優しい。

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