- 2010年5月11日 09:08
- M.N氏の岡目八目
リーマン、ドバイときて、今度はギリシャ。
アイスランドの火山噴火も収まらないままギリシャの財政不安に
端を発した経済の嵐が世界に吹き荒れた先週だった。
ニュー-ヨーク株式市場では入力トラブルも重なって
過去最大の下落幅を記録、東京株式市場も
ことし最大の下落となった。
同時株安で思い起こされるのが
米国のサブプライム住宅ローン問題とリーマン・ショックが生み出した
世界的な経済危機。
それがようやく収束に向かい始めたさなかの「ギリシャ危機だ」。
しかも「対岸の火事」と済ませられないのが日本。
ギリシャの政府債務残高は国内総生産の1倍強に対し、
日本は2倍弱。スターと間もない日本の本年度政府予算の
ほぼ半額が借金頼みという厳しい現実もある。
近年の経済危機の火種がともに欧米からであるのも特徴だろう。
その世界経済は中国やインドなど元気なアジアの経済成長で
辛うじて持ちこたえてはいるものの、好調なアジア経済も
一歩間違えばバブル化の危機をはらんでいる。
氷河や火山地帯という壮大な自然遺産を有するアイスランドに対し、
ギリシャ神話やパルテノン神殿などの文化遺産を誇るギリシャ。
現代政治の根幹をなす「デモクラシー」の概念も
古代ギリシャから生まれた。
古代ギリシャ文明が理想としたのは「調和の美」だったはずだが、
現代社会はいまだ混乱、混迷から抜け出せないでいる。
経済のグローバル化、即ち世界の経済がつながりを強めることが
望ましいと思う。
(M.N)