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スポーツ界に不況の風

何と太っ腹な方か。冬季五輪スピードスケートで
銀メダルを獲得した長島圭一郎選手に1千万円
銅の加藤条治選手に600万円。
所属先の親会社の永守重信日本電産社長が
ビッグな奨励金を贈ることにした。

それぞれ係長と主任への”2階級特進”も約束し
「金メダル2回で社長だぞ」とまでオクターブが上がって
両選手は困惑ぎみだった。何はともあれ
不景気続きの昨今、こんな威勢のいい話題は久しぶりだ。

所属先の前身、三協精機は長野五輪金メダリストの
清水宏保さんら数多くの名選手を輩出した。
廃部も検討されたが「名門の名を消してはならぬ」と
永守社長が決断し、私費も投じて練習環境を充実された。

スポーツ界には長引く不況の寒風が吹きつけている。
ショートトラックの代表選手らは、五輪に向けて
練習場を確保するため日本各地を転々としたそうだ。
ソウル近郊に通年で練習できる室内リンクを持つ
韓国との落差は、あまりに大きい。

「最も金に近い銀」に輝いたスピードスケート女子団体追い抜きの
田畑真紀、穂積雅子両選手は富山市の小さな地質調査会社に所属する。
カーリングの”絶叫”解説で注目された小林宏さんは
自費で山梨県に練習場をつくり、普及に努めていられる。

企業や個人の孤軍奮闘が頼りでは、先行き心細い。
国費を投入すれば万事解決するわけではないが
国のスポーツへの理解と後押しが弱いのが、なんとも歯がゆい。

(M.N)

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