- 2010年2月 6日 18:55
- M.N氏の岡目八目
土俵外の出来事で今週は2回も驚かされた。
貴乃花親方が日本相撲協会の理事選で予想を覆して当選
その3日後の立春の日に
今度は横綱・朝青龍関が引退を表明した。
引き金になったのは、初場所中に泥酔し
知人に暴行したとされる問題だ。
相次ぐ不祥事に相撲協会もようやく動いた。
土俵際に追い詰められた横綱は
持ち味の粘り腰を発揮することなく相撲人生に終止符を打った。
「悔いは一切ない」「けじめをつけた」。会見のときに
笑顔を見せたのは意地かもしれない。だが無念さは隠せない。
モンゴルの草原を駆け回っていた少年が来日して13年
「一番の思い出は」と聞かれると、切れ目の目に涙が光った。
言動の数々に品格を問う声はあった。
だがその強さは別格だった。
ヒール(悪役)としてもファンを魅了したが
暴行が事実なら品格以前の問題である。
歴代3位、25回の幕内優勝に自分で泥を塗り
ファンも裏切ったことになる。
印象的だったのは、ライバルの引退を語るときの白鵬関の涙だ。
「やり残したことがあるんじゃないか」と気遣ったのは
言葉や習慣の違いに戸惑い
苦労を重ねた故国の仲間だからだろうか。
朝青龍関の退場は角界にとって大きな痛手である。
ファンの相撲離れは避けられない。
横綱人気に頼り、甘えを増長させた相撲協会は
土俵の中に注目が集まるように変革してほしい。
(M.N)