Home > M.N氏の岡目八目 > 経済大国

経済大国

日本に世界第二の経済大国という看板を
そろそろ下ろす時がやってきた。
後ろから猛追してきた中国が真後ろに迫り
間もなく抜き去られそうだからである。
その悔しさを日本財界は噛みしめながら
次の手を模索しているようだ。

1991年から始まったといわれる「失われた十年」後も
経済は一時的回復を見せたものの、快癒にはほど遠く
いまなお低迷が続いている状況は
「失われた二十年」への延長を思わせる。

「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と持ち上げられた
八〇年代の栄光がまるで嘘だったかのように暗転、凋落した
九十年代の悪夢と、訣別し、夢よもう一度と
不死鳥のように蘇る青写真を描いた日本経済再生計画は
つまるところ政治の無策によって頓挫し
日本経済は不況の長いトンネルから抜け出せないでいる。
そこに追い討ちをかけたリーマン・ショックで
自信喪失状態なのが今の日本だ。

「世界の工場」として下請け加工と輸出の両面で経済力を付け
なお8%台の成長率を維持している中国が
GDPで日本を追い抜くのはもはや時間の問題となり
日本はいやでも脚力の衰えを感じざるを得ない状況だ。
だが、日本の技術力は決して失われたわけではない。

大横綱双葉山は中国の古典「荘子」にある「木鶏」を目指した。
まるで木で作ったかのように見える闘鶏だ。
相手の姿を見ても興奮したり、虚勢を張ったりせず
何事にも動じることがない。
そんな木鶏の境地は確かに理想の姿ではある。

国や企業などにとっても同じだろう。とはいえ
どういう事態に対しても不動の心で当たるのはかなり難しい。
格下に見ていた相手が急激に力をつけてきた場合には
焦りやねたみなどから要らぬ敵意をかき立ててしまうことがある。
「不動心」だ。

(M.N)

Home > M.N氏の岡目八目 > 経済大国

Search
Links

ページ上部へ戻る