- 2010年1月12日 09:55
- M.N氏の岡目八目
若者は結婚式をよく「ゴール」と表現するが
実際には夫婦生活の始まりに過ぎない。
成人式もそれに似ている。
その段階で「大人」になるわけではなく
大人の社会の入り口に立ったに過ぎない。
誰しもわが身の20歳のころを振り返れば
「大人」とはほど遠かったと思い出すのではないだろうか。
成人式は同窓会。
その日が過ぎれば何事もなかったかのように
親のすねをかじる生活に戻る。
社会のルールも理解していたとは言い難い・・・。
では年を重ねて「大人」になれたかというと
それも多くの人には怪しいのではないか。
少々分別が生まれ、多少世間の裏表が分かりかけ
どうにか自活できるようになりはしたが
つまらない失敗もすれば、いまだに道に迷っている。
「いまどきの若者は」なんて簡単に批判するのも
「大人」になりきれていない証拠かもしれない。
ついつい、かって自分たちもそう言われていたことも
自分たちがそんな若者に育ててしまったことも忘れ
そんな風に口にする。
実は大人たちだって、皆が皆「大人」なわけではないし
自信を持っているわけでもない。
入り口に立ったばかりの若者よりも
ほんのちょっと先にいるにすぎない。
歳を重ねるほどゴールの遠さを実感する人もいるだろう。
今日の成人の日は、スタートラインに立った若者たちを
祝い励ます日であるとともに、大人たちが自分の現在位置を
再確認する日でもある。ようこそ20歳の皆さん。
ともに「大人」への段階を一歩ずつ上がっていこうではないか。
そういう私もいつまでも、「大人」になりきれないで侘しい。
(M.N)