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あけましておめでとうございます

おめでとうございます。
日本の正月は、家に迎える年神様が豊作や
一家安泰を約束するものと考えられてきた。
やおよろずの神様がいる国だ。正月担当もおられるそうだ。
 
十二支では寅年。十二支は中国で考えられ日本に伝わった。
年、月、時間などの単位として用いられる。
覚えやすくするため、身近な動物を割り当てたそうだ。
トラは日本には生息しないものの、古代からその強さが知られていた。

日本でトラを見るには動物園に行くしかないが・・・
経営難の動物園はトラを飼えない困った園長が
男にトラの皮をかぶってオリに入ることを頼む。「日給1万円」。
 
男がオリに入ると園内放送が流れた。
「トラのオリにライオンを入れます」。
震えた男にライオンが近づいて言った。「おれも1万円」。
「動物園」という落語は明治期の新作といわれるが
世相に合うのか、最近はよく演じられる。
英語や、韓国語の達者な落語家が海外でも演じて好評という。
不景気もグローバルである。

寅に「さん」を付けると
いまだに人気が衰えない名優の顔が浮かぶ。
小学校の時、友人への寄せ書きに
「がんばれ・ふんばれ・されどいばるな」と書いた(森英介著「風天」)。
幼くして人生の要諦(ようてい)を知る人だったようだ。

かって正月休みの楽しみといえば
映画「男はつらいよ」シリーズだった。車寅次郎役は渥美清さん。
淡い恋の物語があり、ぶらりとまた旅に出る。
言葉は投げやりだが、心はあったかい寅さん。
待っている妹夫婦や、おいちゃん、おばちゃん、午前様も魅力があった。
いまも時折、テレビで放送されている。見入ってしまうのはなぜだろう。
古きよき時代だけではない人生の真実が含まれているからに違いない。

現代は、人と人とのつながりが奇薄になってきている。
いたわり助け合う世の中をなんとしても取り戻したい。
家族のきずなを強めたい。
寅さんが妹を思う気持ちを込めた句がある。
「さくら幸せにナッテオクレヨ寅次郎」

(M.N)




 

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