- 2009年11月20日 19:21
- M.N氏の岡目八目
髪を切ってもらうのは、もっぱら理容店である。
それも古風な雰囲気の店が気に入っている。
おしゃれな美容院は、老年にはどうも落ち着かなくて苦手だ。
ところが、理容店が全国的に減少傾向にあるというから心配になる。
全国の理容店は1986年の約14万5000軒をピークに
2007年度には13万6000軒余りに減ったようだ。
経営者の高齢化が進み減っているという。
さらに理容師国家試験の受験者も減っているそうだ。
理容師が国家資格となって以後、大幅に減っているようだ。
このままでは後継者不足も深刻になろう。
逆に増えているのは美容院で、2007年度で22万軒になった。
しゃれた店舗で若い男性を中心に人気を集めている。
理容店も女性を対象にエステやネイルケアなどを検討しているという。
最近ではできあがりが早くて料金も格安の理容店が増えた。
新規参入が比較的容易な業界だけに、厳しい競争にもさらされる。
昔ながらの理容店も変わらなければならないのだろう。
何とか頑張ってほしい。
理容店の最大の魅力は、店主との気のおけないおしゃべりである。
数十年通う理容店で、店主が「随分白くなりましたね、わたし以上ですよ」。
遠慮なくなんでも言える間柄ではあるが、少しばかり気にしている点を突かれた。
加えて「あら、まゆ毛までも・・・」と丁寧に言われた。
いつまでも「若いんです」とは言えなくなった年齢ではあるが
ここは踏ん張りどころだ。とっさに「今年の流行語はチェンジ。
時代に合わせているんです」とたんかを切った。
理容店を出ると1年ぶりに会った友人の言葉にも気がめいった。
「随分腹出たなあ」。普通、そう思っても相手を傷付けまいと配慮して
「随分貫禄が出た」とか「年相応に恰幅(かっぷく)がよくなったな」と言うのにである。
結果的には私個人が自分の年齢を承知しなければならないのだが。
(M.N)
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