- 2009年10月26日 14:55
- M.N氏の岡目八目
目の前にいた年配の女性2人組が、すっとんきょうな声を上げた。
「この家建てたの関東大震災の翌年ですって」
「信じられないわね。本当に。ものが違うって感じ」。
東京の新名所、鳩山会館での話だ。
鳩山由紀夫首相の誕生で
祖父の一郎元首相が建てた私邸が脚光を浴びている。
地上3階、地下1階、延べ床面約240坪の通称「音羽御殿」には
平日にもかかわらず観光バスが何台も乗りつけ、観光客でにぎわっている。
門から洋館に至るつづら折の坂道からして
いかにもお金持ちのお屋敷。屋根にはハトの飾り
窓にはハトをデザインしたステンドグラスが入っている。
まるで文化財だ。
芝生の敷かれた広い庭には色とりどりのバラ。
一郎元首相が愛した黄色い「ピース」も咲いている。
第2応接室には一郎元首相が愛用したいすが残っていた。
ここで政治家・三木武吉らと歴史を刻んだのだろうか。
そんな祖父を見ながら、由紀夫少年は
弟(邦夫氏)とチョウを追いかけたのだろうか。
とにかく豪勢な家と家柄に圧倒されながら
観光客は無料のお茶に列をなし、英国風サンルームから庭を眺める。
確かにもの違うなと思いながら同じように休憩していると
先の声の大きな2人組が近くのいすに座っていた。
(M.N)