- 2009年9月14日 20:37
- M.N氏の岡目八目
今衆院選は近年の歴史ブームを反映するかのように
文字通りの「天下分け目の関ケ原」となった。
結果的に徳川家康の東軍が民主党
石田三成が率いる西軍は自民党ということになる。
NHK大河ドラマ「天地人」原作者火坂雅史氏は
近著「名将の品格」で、織田信長側近の豊臣秀吉が
天下人になったのはいわば政党内のトップ交代。
これに対し秀吉から家康への移行は完全な
政権交代という見方だ。
歴史小説は調べ尽くして大きく飛ばないと面白くない
という著者らしい視点で、好機をじっと待って
老かいな政治手腕を見せた家康を評価している。
今回の衆院選とだぶらせると、著者の考えは
うなづけるところも多い。
その後の徳川家は長期政権だったが、民主党はどうだろうか。
深手を負った自民党は早く体制を立て直し
次なる戦いに備えたいはずだが
党再生の議論がぎくしゃくしている。
二大政党制が定着するかどうかは霧の中だ。
今の自民党に求められるのは「義」を貫いた
上杉景勝や名参謀の直江兼続のような人物かもしれない。
上杉家は西軍にあっても、したたかに生き延びた。
兼続の才覚と一大決心があったからとされる。
歴史を動かしたリーダーには必ず名参謀がいて
今の歴史ブームではむしろ主役だ。
政党の盛衰も多彩な人材を発掘し
育てることに尽きるのではないだろうか。
(M.N)