- 2009年5月31日 16:41
- M.N氏の岡目八目
大相撲夏場所千秋楽。
優勝争いは決定戦にもつれ込み
大関日馬富士が横綱白鵬を下して初の賜杯を手にした。
幕内最軽量ながら、鍛えに鍛えた稽古の虫が
大関三場所目、ようやく楽しめるようになったという気持ちが
安馬時代の鋭い動きをよみがえらした。
新たな看板が脚光を浴びれば
本場所に別れを告げたかってのスターもいる。
元関脇高見山の東関親方だ。来月の誕生日で定年になる。
東京五輪の年にハワイから来た人は
巨体を利した豪快な相撲とユーモアで、絶大な人気を誇った。
外国勢の開拓者にして幕内優勝も飾った。
また割りに泣き辛抱と努力で角界の水になじんだ苦労人だが
天性の明るさが皆に愛されジェシーと呼ばれる。
金星獲得など数々の記録を残し、横綱曙らの後進も育てた。
「彼女」だったという相撲との四十五年の付き合いは
悔いなき道のりだったろう。
口ぐせは「辛抱」と「努力」。
日本人以上に日本人らしい男とも言われた。
高見山が名脇役だったころから
モンゴル勢が屋台を支える現在の土俵へ。
大相撲がたどってきた国際化の歩みだ。
東関親方の次の人生が、これまで以上に
ぬくもりに満ちているよう祈っているファンの一人だ。
(M.N)
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