- 2009年5月 7日 10:08
- M.N氏の岡目八目
○○ちゃん、○○君、○○さん・・・
人は生まれて死ぬまで、どれほど、家庭で、地域で、学校で、
社会で名前を呼ばれるだろう。呼ぶだろう。
この世にいない人の名を、思いの届かない人の名を
呼び続けることもあろう。
会社に入って定年までみても
その回数は数え切れないだろう。
その名前での呼び掛けに続く命令、叱咤(しった)、
批判、慰め、励まし・・・。わが身を振りかえれば
最後の最後までおしかりが多かったような気がする。
逆に、どれほど心を込めて人の名を呼んできたか。
愛称で呼ばれ続け、それがまるで姓であるかのように
会社のあちこちで、その名前が聞こえてくる。
愛称で呼ばれ続ける人の親しさを
ついに持ち得なかったのは不徳の致すところ。
西田敏行さん演じる映画「釣りバカ日誌」のハマちゃんは
永遠のあこがれか。
去りゆく者に代わり、新人が入社してきた春である。
真新しいスーツ、ピカピカの靴、ワイシャツ、ブラウス。
何より、不安と希望の入り交じった気持ち。
名札に光る名前。厳しい経済情勢の中、新人への期待も強く
「○○君」「○○さん」という辞令の後に続く
トップの言葉にも一層、力がこもるだろう。
明るいグレーのスーツに、茶色のネクタイ。
今年の新人たちがまだ生まれるずっと以前の入社式。
配属先で最初に名前を呼ばれたときの緊張感を
きのうのことのように思い出す。
(M.N)