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伝家の宝刀

11月になると、今まで気持ち良いと思っていた早朝の大気が
ひんやりと冷たい感じになってくる。
         
 「伝家の宝刀」とは、家に代々伝わる名刀を指す。同じものは二つとない。
総理大臣も家長とする日本国代々の政権に伝えられる「衆院解散権」も
伝家の宝刀と呼ぶにふさわしい。

名刀には刀銘があるが、解散権の場合は
使用されたときの状況に応じて命名される。
小泉政権での「郵政解散」や森政権での「神の国解散」は記憶に新しい。
さかのぼれば「死んだふり解散」「天の声解散」などもあった。

戦後間もない時代の吉田政権はいろいろ見せてくれた。
「なれ合い解散」に始まり「抜き打ち解散」「バカヤロー解散」と続いた。
説明しなくても解散時の雰囲気が分かるのは、命名の妙だろう。

政界の伝家の宝刀を抜けるのは首相だけとされる。
そういうことにされてきた。抜き方が難しい。
抜きすぎると威光が薄れる。抜かなすぎるとさびつく。
抜くために政権を担ったと思われた麻生総理は抜きそうで抜かない。
党利党略でなく国民を思うがゆえの熱慮なのだろう。

(M.N)

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