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雑誌の休刊

昭和30年ごろは、本屋さんが宅配して回っていた。
私が下宿していた大家さん宅でも歌と映画の娯楽雑誌「平凡」や
「主婦の友」をとっていて、ご家族が毎月
楽しく読んでられたのを思い出す。

両誌とも今はもうない。「平凡は」20年ほど前に終刊。
90年余続いた「主婦の友」は今年6月号が最後となった。
このところ月刊誌の休刊が目立つ。

雑誌の浮き沈みは時代の変化と重なる。
家計簿など付録が人気だった生活実用誌「主婦の友」
は主婦という言葉を社会に定着させた。
高度経済成長期の象徴ともなった「専業主婦」が広まるとともに
同誌も急成長した。

しかし、男女雇用機会均等法が施行された昭和61年ごろから
流れが大きく変わった。専業主婦から働く女性へ、昭和から平成へ。
様変わりした女性のニーズをつかみきれないまま
読者激減の道をたどっている。

相次ぐ休刊の原因は部数と広告収入のダウンだそうだ。
その背景にはインターネットの普及や活字離れがあるそうだ。
情報入手の手軽さ、スピードは雑誌よりネットがはるかに上。
かみ砕くのが難しい硬い雑誌などは敬遠される。
それにしても活字で育ってきた私にはさびしさを感じる。

本は、楽しみを与えてくれる。
自分の世界を広げてくれる。
それだけでなく、心の危機を乗り越える手立てにもなる。
まさに「活力の底力」といえようか。
今日から読書週間。
明日にでも、ちょっと近所の書店に寄ってみよう。
熱にうなされるほど夢中になる本との出会いは、楽しい。
近頃、物忘れが進むこの頭に、活を入れることにもなるはずだ。

(M.N)

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