- 2008年9月30日 15:23
- M.N氏の岡目八目
福岡ソフトバンクホークス監督の王貞治さんは、選手時代
よくバットを日本刀に持ち替えて
打撃の真髄を探求する練習に励まれた。
真剣の一閃(いっせん)に何を見たか
凡人の察するところではないが、王監督は練習で何かをつかみ
さらなるホームランの量産にまい進された。
バットを構えた王さんの勇姿もすばらしかったが、刀も似合った。
一心に野球道を究めようとする姿が
古武士の風格を漂わせていたからだろう。
武士道は礼と仁を重んじる。相手を敬い、思いやる心だ。
王さんはファンに感謝の言葉を忘れず
若い選手を根気強く育て上げた。
やはり、野球道の中には武士道も究めていたと拝察する。
天才バッターの偉業には、ただ驚嘆するのみだが
努力と忍耐を重ねるその姿は、平凡なる身にも
生き方について何かを教えてくれて、ありがたかった。
長嶋茂雄元監督と「ON」時代を築き
一本足打法から量産される本塁打は国民を魅了した。
通算868本塁打など数々の大記録を打ち立て
初の国民栄誉賞に輝いた。監督としても手腕を発揮
2006年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では
日本を初代チャンピオンに導いた。
円熟を感じさせて味があった。
忍耐と気配りの人でもあることを見せてくれた。
その王さんが今季限りで退任を発表された。
辞任を決めた王監督には、どんな秋思があっただろうか。
その表情には悔しさはなく,いつもの優しさが感じられた。
半世紀のプロ野球人生を「幸せでした」と感謝し球場を去られた。
一本足打法に自らの来し方を重ねる人も多いはずだ。
(M.N)
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