- 2008年7月14日 20:28
- M.N氏の岡目八目
日本人観光客の落書き問題が広がっている。
イタリア・フィレンツェの世界遺産登録地区にある
大聖堂での失態である。
ルネサンス文化の中心となったフィレンツェ.。
威容を誇る大聖堂は象徴的な存在だ。
「記念に」と軽い気持ちで書いたのだろうが、残念でならない。
落書きが多い場所であり、学校名や名前を書き込んでいた。
ふに落ちないのは、それぞれの釈明に後ろめたさが
感じられないことだ。「初の海外だから記念に・・・」などと聞けば
いけないことという意識はなかったのだろうかと思う。
日常を離れた旅先。
自らの足跡を何らかの形でのこしたい気持ちは分かる。
写真を撮ったり、絵はがきを求めたりするのとも通じる。
けれど、やっていいことはおのずと限られる。
「旅の恥は・・・」も自戒を促すものと受け止めたい。
大聖堂側は当事者や多くの日本人からの謝罪を
「日本の良識に敬服した」とたたえた。
過ちを改める大切さを説く言葉に
悪さをしたのに褒められたとは、恥を知らなければならない。
近年は、世界遺産の新規登録以上に
将来が危ぶまれる「危機遺産」や登録抹消が目立つ。
有名なのが、世界遺産第一号のガラパゴス諸島。
観光客が激増し、島の生態系が壊れている。
大聖堂の落書きが果てしなく増殖したような話である。
場所をわきまえずに書きなぐった相合い傘や
ハートマークの何と多いこと。上越新幹線の車両が
スプレーで派手に落書きされて運休に追い込まれた。
同じような図柄は街中でも良く見かけるが
これはもはや犯罪である。
北京五輪へ向けてマナー改善を目指す中国で
「六大非文化現象」をなくす運動がある。
文明的でない六つの行いとは、大声で騒ぐ、たんを吐く
ごみを捨てる、列に並ばない、だらしない身なり、そして落書き。
日本は大丈夫ととても胸を張れそうにない。
(M.N)
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