先日、愛知県のトヨタ自動車のエンジン工場を
見学する機会がありました。
90万㎡の敷地に4000人が働くこの工場では
トヨタ車の約6割のエンジンが生産されています。
まず驚いたのは工場内はもちろん
広大な敷地をバスで移動する間ゴミ一つ落ちてないばかりか
緑の植込みに雑草が生えているところすら見当たりません。
エンジンの組立工程で特徴的なのは
一人一人の作業者の上にヒモでつるされている
黄色と赤のピンポン球くらいの2つのスイッチです。
何か問題があったときには作業者は黄色の球を引くと
チームリーダーが飛んできて、対策を一緒に考えます。
ラインを止めなければならないときは赤い球を引きます。
作業を中止することは生産性を損ねることになりますが
それに対するとがめは全くなく、不具合をその時に知らせないで
最後になって問題が判明することこそ責められるのです。
また従業員の30%は期間工、つまり正社員ではありません。
しかしトヨタでは彼らを正社員と同じように扱い
仕事を始める前に2週間の研修を行ない、技術や安全そして
トヨタウエイと言われる基本的な考え方まで教えます。
それは短期間といえどもトヨタで働くことで
何か一つでも習得するものがあってほしい
ひいてはトヨタのファンの一人になってくれれば
という思いで期間工の人たちに接するそうです。
トヨタの社員は、自分の子弟をトヨタに入れたい
と思っている人が多いという話を聞き
トヨタを世界一の自動車メーカーにしたのは
有名な「カイゼン」と、このような人を大切にする
企業風土に違いないと確信しました。
(社長)
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