- 2008年7月30日 08:12
- M.N氏の岡目八目
今年の夏はあんまりセミの鳴き声を聞かないな
と思っていたら一昨日あたりから、いつもの夏のように
早朝からやかましいほどセミが鳴いていた。
セミにも準備があるのだろう。
体力と気力の踏ん張りどころの時節を迎える。
すでに最高気温三十度を越える蒸し暑い真夏日が続いており
家も車も冷房なしではいられない。
一方で温暖化防止、原油高騰による経費節減などで
冷房をガンガン効かせることは慎まなければならないご時世となった。
うだるような日本の夏には、幸い日本人には
昔から涼しくする知恵がある。
涼しさを演出した賢人の知恵は暮らしのいたるとこに見られる。
風鈴、縁台、金魚鉢など。
かすかな風をも逃がさない風鈴は「チリン」と鳴る澄み切った音が
蒸し暑さとほこりっぽさをいっぺんに消してくれる。
また風鈴は日本人の豊かな感性を象徴している。
縁台は日本人が考えた移動式縁側。
日差しをよけながら自由に日陰の涼しい場所に動かすことができる。
金魚鉢は、水に揺らぐ金魚の大きなヒレを模した方円のガラス器がいい。
水草を浮かべた水の中を優雅に泳ぐ金魚の眺めはまた格別である。
うだる暑さを忘れ、笑顔に変えてくれるのは「行水」だ。
夏の夕方、庭先やベランダでたらいに水を張り、浴びる。
びしょびしょに濡れて大騒ぎ。
子どものころの夏休みの原風景である。
「よしず」や「すだれ」は日光をさえぎりながら風を通す優れたもので
比較的安値で、現代でも最高の涼グッズである。
気化熱を利用した「打ち水」は日本が誇るサイエンス。
また「打ち水」は日本人のもてなしの心だ。
玄関や路地、店先などにほこりをしずめる水をまく。バケツに柄杓で。
水を打つことでひんやりとした涼感が立ちのぼり
濡れた地面に道行く人にもひとときの涼をあたえる。
蒸し暑い夏、寒い冬と四季がはっきりしている日本では
温度を調整する生活の知恵が引き継がれているが
現代人は忘れがちである。
今がライフスタイルを見直す絶好の機会ではなかろうか。
実際のピークはまだこれからだろう。
これからがまさしく「盛夏の候」となる。
屋内にいるからと安心はできない。
特に高齢者や乳児は注意が必要だ。
高齢者の場合、体内の水分が若い人より10パーセントほど少ないため
脱水症状を起こしやすいそうだ。
体の小さい乳児も汗をかくとすぐ水分が枯渇(こかつ)してしまう。
こまめに水分を補給したり、エアコンで温度を調整したりして
熱中症を防ぎたいものだ。
それにしても近年の暑さ。やはり地球温暖化の影響なのだろうか。
十年先、二十年先を思うと背筋が寒くなる。
(M.N)
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