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初夏の食卓

初夏らしい気候になってきた。新緑の美しい季節。
木陰を散歩してしていると青葉、若葉の独特のにおいに包まれる。
日差しを浴びた緑は日に日に色濃くなり、おう盛な生命力を感じる。

すがすがしい五月晴れに、心も晴れ晴れする。
ただ「五月晴れ」は本来梅雨の時季に晴れ間の意味という。
旧暦の五月は、現在の六月ごろ。
「五月雨」はこの時季の長雨、まさに梅雨のことだ。

木陰の草地に寝そべって本を広げる。
緑の活力を体全体で浴び、心を小説の世界に遊ばせる。
心のエネルギー補給になる。                                                                                       
このところ連日のように豆ごはんが食卓に上がる。
食べ物に「旬がない時代」と言われて久しいが、
今の時期にしか食することのできない代表的な味覚だ。

炊飯器のふたを開けたとき
立ち上がる甘みがかった豆の香りに食欲をそそられる。
茶わんによそえば、豆の緑とご飯の白のコントラストが涼しげだ。
味覚も刺激され、一口、二口とはしを運ぶことになる。

豆にもいろいろあるが
豆ごはんに使われるのは、グリンピースが多い。
春から初夏にかけて収穫され、さやのままで店頭に並ぶ。
料理する直前に、さやから出さないと風味が落ちるからだ。
缶詰や冷凍したものでは、あのおいしさは味わえない。

グリンピースといえば、付け合せ野菜の定番であり
シュウマイやチキンライスでは脇役といえる。
それが、豆ごはんでは主役に見える。

これから夏本番にかけて、
空豆、枝豆と次々に旬の豆が登場する。
親から子供たちへ、季節の恵みを伝えて生きたい。
孫がおいしそうに御代わりする姿は食卓を和ませる。

(M.N)
  

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